法改正により、災害時における国家備蓄基地のLPガス放出が可能に
■ 従来までの「供給途絶時」に加え、「災害時」等にも国家備蓄LPガスの放出が可能となった(要件の見直し)。
■ 安定供給体制確保のために、元売・卸売・小売事業者が一体となり、「供給連携計画」の策定を義務付け。
東日本大震災の発生直後、東北・関東の被災地域において、製油所の被災による生産量の減少と需要家のパニックに起因する買い溜め等により主要な自動車用燃料であるガソリンと軽油の一時的な供給不安が発生し、特に支援物資等を運搬する物流部門に対し大きな影響を与えました。
一方、LPガスを燃料とするLPG車については、燃料の供給が相対的に安定しており、タクシーや配送車等にも特に支障なく供給を継続することができたため、大きな混乱は起こりませんでした。表に示すように、震災直後の東北4県におけるタクシーの走行距離数は前年比でおよそ1割以上増加し、特に宮城県では130万km(地球約33週分)以上増加するなど、人員・物資輸送の両面でLPG車のタクシーが大いに活躍したことが分かります。
輸送用燃料を特定の燃料だけに依存することは、災害時のセキュリティにとって大きな不安定要因となります。いざという時に備え、自動車用燃料の分散化を促進するためには、普段からLPG車を一定割合で保有するなど事前の対策が必要です。
都道府県名 | 走行距離数 (km/1 日・1 台) |
走行距離数 (km/1 日・1 台) |
増加延べ走行 距離数 (千km) |
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H22年3月 | H23年3月 | 対前年比 | H23年3月11日 ~ 3月31日 |
対前年比 | H23年4月 | H23年3月11日
~ 3月31日 |
|
岩手 |
128.8 | 138.8 | 107.70% | 143.6 | 111.50% | 127.8 | 562 |
宮城 |
160.5 | 171.5 | 106.90% | 176.8 | 110.20% | 153.8 | 1,346 |
福島 | 115.5 | 128.4 | 111.20% | 134.5 | 116.50% | 115.3 | 999 |
山形 | 113 | 130.7 | 115.70% | 139.1 | 123.10% | 107.4 | 598 |
東京 | 240.2 | 233.4 | 97.20% | 230.2 | 95.80% | 240.1 | ― |
神奈川 | 200.9 | 191.6 | 95.40% | 187.2 | 93.20% | 200.2 | ― |
千葉 | 165.2 | 152.3 | 92.20% | 146.2 | 88.50% | 163.5 | ― |
(出典:全国乗用自動車連合会、3月11日~31日の実績については日本LPガス協会試算)